歯周病とは?
お口の中の病気で代表的なものにむし歯と歯周病があります。
むし歯は“歯そのもの”が破壊される病気ですが、歯周病は“歯を支えるまわりの組織(歯周組織)”に起こる病気です。
自分で気がつかない軽い歯周病を含めると、40歳以上の成人の5人の内4人以上が歯周病にかかっていると言われ、歯周病は歯を失う最も大きな原因となっています。
歯周病の症状と治療法
歯周病の症状
歯周病は、初めは自覚症状がなく鏡で見ても気がつきませんが、次第に歯肉が赤く腫れることがあります。一方で、歯にはプラーク(歯垢)が付着し、やがて石灰化し歯石となります。こうなると自分では歯石を取り除きにくくなり歯周病が悪化し、歯根膜や歯槽骨が破壊されて、歯を支える力がだんだん弱くなります。この状態のまま放っておくと歯を失うことがあります。
当院での歯周病の治療法
比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要になります。
GTR法
歯周病で破壊・吸収された歯周組織は、その原因を除去すれば再生しようとします。
しかし、歯周病にかかった部分を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと、必要な支持組織が再生する前に歯肉がそこに入り込み、歯周組織の再生を阻んでしまいます。そこで、歯周ポケット内部を清掃した後にメンブレンと呼ばれる膜を設置し、外からの不要な歯肉が入り込まないよう防御します。
そうするとメンブレンの下には歯周組織が再生を始め、ゆっくりと成長していきます。この成長にはメンブレンの下が新しい組織で満たされるまで一定期間(平均4週間)保持しておく必要があります。その後、4週間から8週間後にメンブレンを取り除きます。
新たに再生された歯周組織は、初めは非常に弱いですが、時間の経過とともにもとの組織と同じくらいの成熟度に達します。
エムドゲイン法
エムドゲイン法もGTR法と同じく、歯周組織再生材料を使用します。
GTR法では、歯肉が入り込むのを膜を用いて阻止しますが、エムドゲイン法では、エムドゲイン・ゲル(エナメルマトリックスデリバティブ)という薬剤を欠損部に入れ、歯肉の侵入を防ぐと同時に歯周組織の再生を促します。
エムドゲイン法は、比較的短時間(1時間程度)で終わりますし、使用した薬剤が再生を促しながら吸収されていくので、薬剤を取り除く必要がありません。
定期的な受診について
機能的な歯周組織を取り戻すまでには、数ヶ月から1年程度かかります。
歯周組織が再生する期間および程度は個人差があり、歯周病の進行具合によっても異なります。術後のスケジュールの詳細も患者様によって異なります。術後の治療計画をご説明しますので、定期的な検査を受けていただき、口の中の衛生状態を清潔に保つようにしましょう。